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銘仙図鑑(33) 青紫に白椿の銘仙(羽織) [銘仙図鑑]

今まで「銘仙図鑑」に掲載してきた銘仙の多くは、デザイン的・技術的に優れた「逸品」が中心でした。
ただ、銘仙という絹織物が、昭和戦前期の大衆消費衣料として大流行したことを考えると、「逸品」ばかりの紹介では、銘仙の全体像を見誤ることになりかねません。
そこで、デザイン的・技術的に必ずしも優れていない「並品」も紹介していこうと思います。
(33)(34)(35)(36)はそんな作例です。
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銘仙図鑑(33) 青紫に白椿の銘仙(羽織)
銘仙33-1 (2).JPG
【番号】 033
【名称】 青紫に白椿の銘仙(羽織)
【色柄】 青紫の地に白で椿と思われる花、青緑で葉と枝を織り出す。
     花芯を暗紅色で表現する。
     両端に白で崩れた矢絣模様。
     地色の青紫は「銘仙図鑑(32)」とよく似た色味。
     http://junko-kimono.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-1
     織は比較的緻密だが、織ずれはかなりあり、経糸のつれもやや目立つ。
     かすかな玉虫光沢がある。
     とりたてて意匠や織り方に工夫はなく、解し織の銘仙としてはごく標準的で、銘仙が流行した時期の一般的な作例と思われる。
【技法】 経糸捺染、解し織。
【産地推定】 秩父(埼玉県)??
【年代推定】 昭和10年(1935)前後??
【所蔵者】  三橋順子
銘仙33-2.jpg
↑ 花は白椿と思われる。
銘仙33-5.JPG
↑ 両端にある矢絣模様。たいぶ形が崩れている。
銘仙33-3.jpg
↑ 花芯の表現。織りずれはかなりある方。
銘仙33-4.jpg
↑ 経糸がつれている部分。

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