SSブログ

銘仙図鑑(36) 青紫に交差する竹の意匠の銘仙 [銘仙図鑑]

今まで「銘仙図鑑」に掲載してきた銘仙の多くは、デザイン的・技術的に優れた「逸品」が中心でした。
ただ、銘仙という絹織物が、昭和戦前期の大衆消費衣料として大流行したことを考えると、「逸品」ばかりの紹介では、銘仙の全体像を見誤ることになりかねません。
そこで、デザイン的・技術的に必ずしも優れていない「並品」も紹介していこうと思います。
(33)(34)(35)(36)はそんな作例です。
----------------------------------------------------
銘仙図鑑(36) 青紫に交差する竹の意匠の銘仙
銘仙36-1.JPG
【番号】 036
【名称】 青紫に交差する竹の意匠の銘仙
【色柄】 青紫の地に、交差する竹をデザインした曲線を黄色、濃淡の水色で織り出す。
     黄色はクロムイエロー、濃淡の水色はシアンブルーと思われる。
     一見、ただの曲線かとも思うが、節を表現しているので竹の意匠化。
     曲線(竹)の縁と節は白で表現する。
     織の密度は並で、微妙に地厚な感じがする。
     光沢感は乏しく、織ずれや経糸の攣れは比較的少ない。
     緯糸の太さが均質ではなく、ところどころ「節」が見られる。
     色数や技法を抑えた普及品的な作例の比較的初期のものと思われる。
【技法】 経糸捺染、解し織。
【産地推定】 秩父(埼玉県)??
【年代推定】 昭和2年(1927)前後??
【所蔵者】  三橋順子
銘仙36-2.JPG
↑ 見る場所によっては単なる交差する曲線に見える。
銘仙36-3.JPG
↑ たしかに竹の節が表現されている。
銘仙36-4.JPG
↑ でも、あまり竹という気がしないのは色使いのせいか。
銘仙36-5.JPG
↑ 織ずれや攣れは少ないが、緯糸(紫色)の太さが不均質で太い部分が浮いて見える。
銘仙36-6.JPG
↑ 紫色の点に見えるのが緯糸の「節」。

銘仙図鑑(35) 青紫に躑躅(つつじ)の銘仙(単) [銘仙図鑑]

今まで「銘仙図鑑」に掲載してきた銘仙の多くは、デザイン的・技術的に優れた「逸品」が中心でした。
ただ、銘仙という絹織物が、昭和戦前期の大衆消費衣料として大流行したことを考えると、「逸品」ばかりの紹介では、銘仙の全体像を見誤ることになりかねません。
そこで、デザイン的・技術的に必ずしも優れていない「並品」も紹介していこうと思います。
(33)(34)(35)(36)はそんな作例です。
----------------------------------------------------
銘仙図鑑(35) 青紫に躑躅(つつじ)の銘仙(単)
銘仙35-1.JPG
【番号】 035
【名称】 青紫に躑躅(つつじ)の銘仙(単)
【色柄】 青紫の地に、鼠色で花結び紐と躑躅(つつじ)の花・葉(形が違う?)を織り出す。
     花芯(雌蕊・雄蕊)は暗紅色で表現する。
     一定間隔で二本の細い帯を白で入れる(緯糸を染色)。
     織の密度は並で、少しシャリ感がある(交織か?)。
     織ずれや経糸の攣れは比較的少ない。
     玉虫光沢はない。
     色数や技法を抑えた普及品的な作例と思われる。
【技法】 経糸捺染、部分併用絣、解し織。
【産地推定】 秩父(埼玉県)??
【年代推定】 昭和8年(1933)前後??
【所蔵者】  三橋順子
銘仙35-2.JPG
↑ 暖色をほとんど使わず寒色でまとめて涼しさを出している?
銘仙35-3.JPG
↑ 花芯の表現。
銘仙35-4.jpg
↑ 花結びの紐葉の表現。経糸に攣れがある。
銘仙35-5.JPG
↑ 白く染めた緯糸を入れてアクセントをつけているが・・・、もう少し太く入れないと目立たない?

銘仙図鑑(34) 青地に紅百合の銘仙 [銘仙図鑑]

今まで「銘仙図鑑」に掲載してきた銘仙の多くは、デザイン的・技術的に優れた「逸品」が中心でした。
ただ、銘仙という絹織物が、昭和戦前期の大衆消費衣料として大流行したことを考えると、「逸品」ばかりの紹介では、銘仙の全体像を見誤ることになりかねません。
そこで、デザイン的・技術的に必ずしも優れていない「並品」も紹介していこうと思います。
(33)(34)(35)(36)はそんな作例です。
----------------------------------------------------
銘仙図鑑(34) 青地に紅百合の銘仙
銘仙34-0.jpg
銘仙34-1.JPG
【番号】 034
【名称】 青地に紅百合の銘仙
【色柄】 青地に薄鼠色で草の葉を、その上に紅百合を織り出す。
     百合の花は濃・淡の紅色と青、花芯は薄鼠色、葉や茎は薄青緑で表現する。
     織の密度は並、織ずれや経糸の攣れは比較的少ない。
     玉虫光沢はない。
     解し織の銘仙としてはごく標準的な作例と思われる。
【技法】 経糸捺染、解し織。
【産地推定】 秩父(埼玉県)??
【年代推定】 昭和8年(1933)前後??
【所蔵者】  三橋順子
銘仙34-2.jpg
↑ 花の表現は、やや簡略化されている。
銘仙34-3.jpg
↑ 花芯の表現。経糸に攣れがある。
銘仙34-5.jpg
↑ 葉の部分の表現。織りずれ比較的少ない

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。