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銘仙図鑑(42) 青紫の地に松葉?の銘仙 [銘仙図鑑]

銘仙図鑑(42) 青紫の地に松葉?の銘仙
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【番号】 042
【名称】 銘仙図鑑(42) 青紫の地に松葉?の銘仙
【色柄】 青紫の地に横から見た松葉?を白で織り出す。
     松葉の根元に当たるところを薄紅で、芯を紅色で表現する。
     松葉にも、部分的にくすんだ黄色と薄紅をかける。
     部分的にズレが大きい部分があるが、まずまず丁寧な織り。
【技法】 平織、経糸・緯糸捺染の併用絣。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)??
【年代推定】 昭和5~10年(1930~35)??
【所蔵者】 家猫
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↑ 松葉が直線ではなく、緩い弧なので、一見、華やかな花模様(合歓とか)のようにも見える。
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↑ 織りずれがやや目立つ部分。 

【着装】
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↑ 華やかだが、女性的でやさしい雰囲気。
(モデル)家猫

【比較】同じ松葉のデザインでも、アールデコデザインの(41)と比べると、まったく雰囲気が違う。
銘仙41-1(復刻足利・松葉)1 (2).jpg 銘仙42-1.jpg

銘仙図鑑(41) アールデコの松葉の銘仙(復刻) [銘仙図鑑]

銘仙図鑑(41) アールデコの松葉の銘仙(復刻)
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【番号】 041
【名称】 アールデコの松葉の銘仙(復刻)
【色柄】 京都西陣の「きものACT」による足利銘仙の忠実な復刻。
     錆朱と藍の放射状の帯(4分の1の扇形)で松葉を横から見た様子を、青鼠の放射模様で松葉を真上から見た様子を織り出す。
     遠目では、青鼠の地に錆朱・藍の幾何学的なデザインに見える。
     アールデコの意匠を銘仙の柄に巧みに取り入れた傑作。     
     捺染の際の色ずれは見受けられるが、織は復刻だけあって精密。

【技法】 経糸・緯糸捺染の併用絣。
【産地推定】 足利(栃木県)
【年代推定】 2000年代の復刻。原デザインは昭和5~10年(1930~35)?
【所蔵者】 三橋順子
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↑ 右下から4本目の赤のラインの部分、色のはみ出しが見られる。
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↑ 上から見た松葉。最初は松葉とは気づかなかった 

【着装】
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↑ 背が高い私が着ると、余計にデザインの斬新さが際立つ。
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↑ 第3回「きもの日和TOKYO」の「きものファッションショー」(2006年11月3日:東京恵比寿)で撮影。
(モデル)三橋順子

【参照】
木村和恵コレクション(松葉模様) (2).jpg
木村和恵コレクションの松葉模様の銘仙。
色味はずっと明るいが、まったく同じデザイン。
(別冊太陽『銘仙 ―大正・昭和のおしゃれ着物―』平凡社、2004年)

銘仙図鑑(40)灰青色の水玉を切り裂く赤の銘仙(単) [銘仙図鑑]

銘仙図鑑(40) 灰青色の水玉を切り裂く赤の銘仙(単)
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【番号】 040
【名称】 灰青色のドッドを切り裂く赤の銘仙(単)
【色柄】 白の地に帯状の濃淡の水玉(ドッド)と赤のラインを織り出す。
     赤は両端が鋭くとがった長菱形で、水玉を切り裂くように走る。。     
     水玉(ドッド)はやや灰色がかった青色で、濃淡3種がある。
     一幅の4分の1ほどは模様がない白で、赤の鮮やかさを際立てる。
     水玉と直線的な長菱形を組み合わせたアールデコのデザイン。
     水玉は緯糸捺染(横綜)で織り出し、赤の長菱形の部分は経糸・緯糸ともに赤捺染の併用絣。
     緯糸の織ずれはかなりあるが、それによる水玉の暈け具合が良い味になっている。
【技法】 平織、緯糸捺染(横綜)中心の併用絣。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)?
【年代推定】 昭和5~10年(1930~35)?
【所蔵者】 YUKO
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↑ 赤のラインの鋭さが際立つ
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↑ 水玉が横綜で濃淡に3段階あることがわかる。 
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↑ 赤の部分が、緯糸も経糸も赤で染めた併用絣であることが、はっきりわかる。

【着装】
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↑ 遠目に見ると、水玉はあまり目立たない。
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↑ 後ろ身ごろは、とりわけ赤のラインの鮮烈さが際立つ。
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↑ 『性欲の研究 東京のエロ地理』(平凡社 2015年3月)の表紙カバーに使わせてもらった。
(モデル・撮影)YUKO

【関連リンク】
YUKO「気軽に楽しく美しく・銘仙の時代の女」
17 白とグレーのドット柄縞模様の中に赤い片矢羽根の銘仙着物 
http://yukomeisen.blog.so-net.ne.jp/2014-03-22

銘仙図鑑(39)多色使いの矢羽重ねの銘仙(羽織) [銘仙図鑑]

銘仙図鑑(39) 多色使いの矢羽重ねの銘仙(羽織)
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【番号】 039
【名称】 多色使いの矢羽重ねの銘仙(羽織)
【色柄】 黒、白銀、青、赤、黄の五色で、重なった矢羽柄を織り出す。
     矢羽は緩い弧を描く曲線で構成され、房飾りが付く。     
     矢羽という伝統柄を大胆にアレンジした斬新なデザイン。
     かなり強い玉虫光沢がある。
     緯糸はところどころ節がある糸を用い、生地は緻密だが、織ずれはかなり目立つ。
【技法】 平織、緯糸捺染(横綜)。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)??
【年代推定】 昭和5~10年(1930~35)?
【所蔵者】 三橋順子

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↑ シアンブルー(青)が鮮やか
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↑ 白銀の部分に玉虫光沢が出ている。 
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↑ 織の状態。緯糸の織ずれはかなりあるが、それによる線の暈しが良い味になっている

銘仙図鑑(38)赤と青の大きな矢羽の銘仙(単) [銘仙図鑑]

銘仙図鑑(38) 赤と青の大きな矢羽の銘仙(単)
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【番号】 038
【名称】 赤と青の大きな矢羽の銘仙(単)
【色柄】 生成りの地に1幅2つの大きな矢羽を多色で織り出す。
     矢柄は黄色、矢羽は赤と青。
     矢羽の青と赤は、経糸にベタに色糸を入れず、不規則な間隔で生成色を挟んで、あえて色味を薄くしている。
     生地は薄手だが光沢感がある。
     織は緻密で、精度も良く、技術レベルは高い。
【技法】 平織、経糸捺染、解し織。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)??
【年代推定】 昭和5年(1930)前後?
【所蔵者】  YUKO→三橋順子(2014年8月移管)
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↑ 1つの矢羽は、長さ44cm、幅10cm
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↑ 織の状態。織ずれはほとんどなく、技術レベルは高い。

【着装】
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↑ あえて淡く抑えた色柄が品の良さを感じさせる。
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↑ これは着装写真と言えるのだろうか?
(モデル・撮影)YUKO

【関連リンク】
YUKO「気軽に楽しく美しく・銘仙の時代の女」
40 桃色巨大矢絣銘仙単衣着物
http://yukomeisen.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01-2

銘仙図鑑(37) 赤紫の大きな竹の銘仙(単) [銘仙図鑑]

(36)から「竹」つながりで・・・。
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銘仙図鑑(37) 赤紫の大きな竹の銘仙(単)
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【番号】 037
【名称】 赤紫の大きな竹の銘仙(単)
【色柄】 青鼠の細縞の地に赤紫で大きく竹を織り出す。
     竹(孟宗竹)の表現はまるで日本画のようで気品がある。
     原画作者のセンスだけでなく、それを織物に仕上げる職人の技量も見事。
     (36)とはまったくレベルが違う。
     経糸捺染で青鼠の細縞と赤い竹を表現、緯糸は無地の暗赤色。
     織の密度は比較的高く、織ずれや経糸の攣れは少ない。
     強い玉虫光沢がある。
     色数こそ少ないが、技術レベルは高く、昭和初期の秩父銘仙と推定。
【技法】 平織、経糸捺染、解し織。
【産地推定】 秩父(埼玉県)?
【年代推定】 昭和5年(1930)前後?
【所蔵者】  YUKO→三橋順子(2014年8月移管)
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↑ 原画は日本画家のアルバイトかも。
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↑ 織の状態。織ずれや経糸の攣れは少なく、技術レベルは高い。
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↑ 小さい切片を解してみると、織の状態がよくわかる。
経糸は無地と青鼠と赤。緯糸は暗赤色。
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↑ かなり強い玉虫光沢。
見る角度によって緯糸の赤が浮かび上がる。

【着装】
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↑ 抑えた色柄が品の良さを感じさせる。
銘仙37-6 (2).JPG
↑ でもどこか艶っぽさが漂う(モデルのせい?)。
(モデル・撮影)YUKO

【関連リンク】
YUKO「気軽に楽しく美しく・銘仙の女」30 薄い紫の地に大胆な竹模様銘仙単衣
http://yukomeisen.blog.so-net.ne.jp/2014-06-24

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