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銘仙図鑑(37) 赤紫の大きな竹の銘仙(単) [銘仙図鑑]

(36)から「竹」つながりで・・・。
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銘仙図鑑(37) 赤紫の大きな竹の銘仙(単)
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【番号】 037
【名称】 赤紫の大きな竹の銘仙(単)
【色柄】 青鼠の細縞の地に赤紫で大きく竹を織り出す。
     竹(孟宗竹)の表現はまるで日本画のようで気品がある。
     原画作者のセンスだけでなく、それを織物に仕上げる職人の技量も見事。
     (36)とはまったくレベルが違う。
     経糸捺染で青鼠の細縞と赤い竹を表現、緯糸は無地の暗赤色。
     織の密度は比較的高く、織ずれや経糸の攣れは少ない。
     強い玉虫光沢がある。
     色数こそ少ないが、技術レベルは高く、昭和初期の秩父銘仙と推定。
【技法】 平織、経糸捺染、解し織。
【産地推定】 秩父(埼玉県)?
【年代推定】 昭和5年(1930)前後?
【所蔵者】  YUKO→三橋順子(2014年8月移管)
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↑ 原画は日本画家のアルバイトかも。
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↑ 織の状態。織ずれや経糸の攣れは少なく、技術レベルは高い。
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↑ 小さい切片を解してみると、織の状態がよくわかる。
経糸は無地と青鼠と赤。緯糸は暗赤色。
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↑ かなり強い玉虫光沢。
見る角度によって緯糸の赤が浮かび上がる。

【着装】
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↑ 抑えた色柄が品の良さを感じさせる。
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↑ でもどこか艶っぽさが漂う(モデルのせい?)。
(モデル・撮影)YUKO

【関連リンク】
YUKO「気軽に楽しく美しく・銘仙の女」30 薄い紫の地に大胆な竹模様銘仙単衣
http://yukomeisen.blog.so-net.ne.jp/2014-06-24

銘仙図鑑(36) 青紫に交差する竹の意匠の銘仙 [銘仙図鑑]

今まで「銘仙図鑑」に掲載してきた銘仙の多くは、デザイン的・技術的に優れた「逸品」が中心でした。
ただ、銘仙という絹織物が、昭和戦前期の大衆消費衣料として大流行したことを考えると、「逸品」ばかりの紹介では、銘仙の全体像を見誤ることになりかねません。
そこで、デザイン的・技術的に必ずしも優れていない「並品」も紹介していこうと思います。
(33)(34)(35)(36)はそんな作例です。
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銘仙図鑑(36) 青紫に交差する竹の意匠の銘仙
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【番号】 036
【名称】 青紫に交差する竹の意匠の銘仙
【色柄】 青紫の地に、交差する竹をデザインした曲線を黄色、濃淡の水色で織り出す。
     黄色はクロムイエロー、濃淡の水色はシアンブルーと思われる。
     一見、ただの曲線かとも思うが、節を表現しているので竹の意匠化。
     曲線(竹)の縁と節は白で表現する。
     織の密度は並で、微妙に地厚な感じがする。
     光沢感は乏しく、織ずれや経糸の攣れは比較的少ない。
     緯糸の太さが均質ではなく、ところどころ「節」が見られる。
     色数や技法を抑えた普及品的な作例の比較的初期のものと思われる。
【技法】 経糸捺染、解し織。
【産地推定】 秩父(埼玉県)??
【年代推定】 昭和2年(1927)前後??
【所蔵者】  三橋順子
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↑ 見る場所によっては単なる交差する曲線に見える。
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↑ たしかに竹の節が表現されている。
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↑ でも、あまり竹という気がしないのは色使いのせいか。
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↑ 織ずれや攣れは少ないが、緯糸(紫色)の太さが不均質で太い部分が浮いて見える。
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↑ 紫色の点に見えるのが緯糸の「節」。

銘仙図鑑(35) 青紫に躑躅(つつじ)の銘仙(単) [銘仙図鑑]

今まで「銘仙図鑑」に掲載してきた銘仙の多くは、デザイン的・技術的に優れた「逸品」が中心でした。
ただ、銘仙という絹織物が、昭和戦前期の大衆消費衣料として大流行したことを考えると、「逸品」ばかりの紹介では、銘仙の全体像を見誤ることになりかねません。
そこで、デザイン的・技術的に必ずしも優れていない「並品」も紹介していこうと思います。
(33)(34)(35)(36)はそんな作例です。
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銘仙図鑑(35) 青紫に躑躅(つつじ)の銘仙(単)
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【番号】 035
【名称】 青紫に躑躅(つつじ)の銘仙(単)
【色柄】 青紫の地に、鼠色で花結び紐と躑躅(つつじ)の花・葉(形が違う?)を織り出す。
     花芯(雌蕊・雄蕊)は暗紅色で表現する。
     一定間隔で二本の細い帯を白で入れる(緯糸を染色)。
     織の密度は並で、少しシャリ感がある(交織か?)。
     織ずれや経糸の攣れは比較的少ない。
     玉虫光沢はない。
     色数や技法を抑えた普及品的な作例と思われる。
【技法】 経糸捺染、部分併用絣、解し織。
【産地推定】 秩父(埼玉県)??
【年代推定】 昭和8年(1933)前後??
【所蔵者】  三橋順子
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↑ 暖色をほとんど使わず寒色でまとめて涼しさを出している?
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↑ 花芯の表現。
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↑ 花結びの紐葉の表現。経糸に攣れがある。
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↑ 白く染めた緯糸を入れてアクセントをつけているが・・・、もう少し太く入れないと目立たない?

銘仙図鑑(34) 青地に紅百合の銘仙 [銘仙図鑑]

今まで「銘仙図鑑」に掲載してきた銘仙の多くは、デザイン的・技術的に優れた「逸品」が中心でした。
ただ、銘仙という絹織物が、昭和戦前期の大衆消費衣料として大流行したことを考えると、「逸品」ばかりの紹介では、銘仙の全体像を見誤ることになりかねません。
そこで、デザイン的・技術的に必ずしも優れていない「並品」も紹介していこうと思います。
(33)(34)(35)(36)はそんな作例です。
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銘仙図鑑(34) 青地に紅百合の銘仙
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【番号】 034
【名称】 青地に紅百合の銘仙
【色柄】 青地に薄鼠色で草の葉を、その上に紅百合を織り出す。
     百合の花は濃・淡の紅色と青、花芯は薄鼠色、葉や茎は薄青緑で表現する。
     織の密度は並、織ずれや経糸の攣れは比較的少ない。
     玉虫光沢はない。
     解し織の銘仙としてはごく標準的な作例と思われる。
【技法】 経糸捺染、解し織。
【産地推定】 秩父(埼玉県)??
【年代推定】 昭和8年(1933)前後??
【所蔵者】  三橋順子
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↑ 花の表現は、やや簡略化されている。
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↑ 花芯の表現。経糸に攣れがある。
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↑ 葉の部分の表現。織りずれ比較的少ない

銘仙図鑑(33) 青紫に白椿の銘仙(羽織) [銘仙図鑑]

今まで「銘仙図鑑」に掲載してきた銘仙の多くは、デザイン的・技術的に優れた「逸品」が中心でした。
ただ、銘仙という絹織物が、昭和戦前期の大衆消費衣料として大流行したことを考えると、「逸品」ばかりの紹介では、銘仙の全体像を見誤ることになりかねません。
そこで、デザイン的・技術的に必ずしも優れていない「並品」も紹介していこうと思います。
(33)(34)(35)(36)はそんな作例です。
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銘仙図鑑(33) 青紫に白椿の銘仙(羽織)
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【番号】 033
【名称】 青紫に白椿の銘仙(羽織)
【色柄】 青紫の地に白で椿と思われる花、青緑で葉と枝を織り出す。
     花芯を暗紅色で表現する。
     両端に白で崩れた矢絣模様。
     地色の青紫は「銘仙図鑑(32)」とよく似た色味。
     http://junko-kimono.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-1
     織は比較的緻密だが、織ずれはかなりあり、経糸のつれもやや目立つ。
     かすかな玉虫光沢がある。
     とりたてて意匠や織り方に工夫はなく、解し織の銘仙としてはごく標準的で、銘仙が流行した時期の一般的な作例と思われる。
【技法】 経糸捺染、解し織。
【産地推定】 秩父(埼玉県)??
【年代推定】 昭和10年(1935)前後??
【所蔵者】  三橋順子
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↑ 花は白椿と思われる。
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↑ 両端にある矢絣模様。たいぶ形が崩れている。
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↑ 花芯の表現。織りずれはかなりある方。
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↑ 経糸がつれている部分。

銘仙図鑑(32) 青紫の笹の葉柄の銘仙 [銘仙図鑑]

銘仙図鑑(32) 青紫の笹の葉柄の銘仙
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【番号】 032
【名称】 青紫の笹の葉柄の銘仙
【色柄】 青みががった紫色の時に、白銀、赤、水色で笹の葉模様を織り出す。
     織はかなり荒く、経糸の大きなツレが目立つ。
【技法】 経糸捺染。
【産地推定】 足利(栃木県)??
【年代推定】 昭和5~10年頃(1930~1935)??
【所蔵者】  YUKO
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↑ 赤の笹の葉。
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↑ 水色の笹の葉。
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↑ 織が比較的良好な部分。
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↑ 大きなツレがある部分。

【着装】
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↑ 地色の青紫との対比で笹の葉の赤と白抜けがよく目立つ。
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↑ 地の青紫色は化学染料特有の鮮やかな発色で、強い印象を与える。
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↑ 柄よりも色で勝負という着物だろう。
(モデル&コーディネート:YUKO)

【関連リンク】
YUKO「気楽に楽しく美しく・銘仙の女」 紫地笹着物
http://yukomeisen.blog.so-net.ne.jp/2014-03-11-3

銘仙図鑑(31) 葡萄色に丸に橘の銘仙(羽織) [銘仙図鑑]

銘仙図鑑(31) 葡萄色に丸に橘の銘仙(羽織)
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【番号】 031
【名称】 葡萄色に丸に橘の銘仙(羽織)
【色柄】 葡萄色に明暗の鼠色と暗黄色で丸に橘の模様と枝を織り出す。
     丸の大きさは大小2種類で、中の橘の柄も少し異なる。
     枝は暗黄色で複雑に交差する。
     織はとても緻密だが、滑り感はあまりなく、単純な平織ではない変わり織か。
     織ずれはほとんどない。
【技法】 変わり織、併用絣。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)??
【年代推定】 昭和30年代(1955~1964)??
【所蔵者】  YUKO
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↑ 大きい方の丸に橘模様。
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↑ 小さい方の丸に橘模様。
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↑ 強拡大すると、織の組織が平織とは異なるのがわかるのだが・・・。

【着装】
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↑ 丸に橘という日本の伝統的な意匠でありながら、枝のデザインがアールデコ的でかなり斬新な印象がある。
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↑ 葡萄色の中での明鼠色の輪がよく目立つ。
(モデル&コーディネート:YUKO)

【関連リンク】
着装の着物は「銘仙図鑑(30)」
http://junko-kimono.blog.so-net.ne.jp/2013-01-14

銘仙図鑑(30)薄い青鼠色に赤の麻の葉模様の銘仙 [銘仙図鑑]

銘仙図鑑(30) 薄い青鼠色に赤の麻の葉模様の銘仙
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【番号】 030
【名称】 薄い青鼠色に赤の麻の葉模様の銘仙
【色柄】 薄い青鼠色の地に少し暗い赤で大きな麻の葉模様を織り出す。
     麻の葉の大きさは一幅にぎりぎり入るくらい
     フリーハンドで描かれた麻の葉の赤い線の周囲は白で縁取る。
     緯糸には規則的な間隔でやや太い節糸を入れている。     
     緯糸は暗い色(黒?)を使っている。
【技法】 平織、経糸捺染、解し織り。
【産地推定】 秩父(埼玉県)?
【年代推定】 昭和元~5年(1926~1930)??
【所蔵者】  YUKO
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↑ 一幅にぎりぎり入る麻の葉の大きさ。
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↑ 麻の葉の中心部。12条の放射。
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↑ 赤い線はフリーハンドだが、よく見ると同じようなところで線が乱れている。
下に何か凹凸があったのだろうか?
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↑ 緯糸に規則的な間隔でやや太い節糸を入れている。
【着装】
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薄い灰水色と赤という色のコントラストが鮮やか。
麻の葉の形は、袖を広げるとはっきりわかる大きさ。
麻の葉という単純な古典柄なのに、意外にモダンで艶やかな感じがする。
(モデル&コーディネート:YUKO)

【関連リンク】
YUKO「気軽に楽しく美しく・銘仙の女」 巨大麻の葉
http://yukomeisen.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04-3

銘仙図鑑(29) なにか楽しくなるけどよくわからない絵の銘仙 [銘仙図鑑]

銘仙図鑑(29) なにか楽しくなるけどよくわからない絵の銘仙
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【番号】 029
【名称】 なにか楽しくなるけどよくわからない絵の銘仙
【色柄】 白地に多色使いで、具象とも抽象ともつかない絵を織り出す。
     色は、赤・暗赤、橙・ピンク、緑、黄土・黄色・薄黄色、濃鼠・鼠色・薄鼠、黒の12色。
     絵は、花、家?、葉(もしくは樹)、風車(もしくは五弁の花)、白と黄土色(銀と金のつもり?)の玉が浮かぶ夕焼け雲?。
     子供が描いたような感じの、なにか楽しくなるような絵柄。
     全体的に赤みが強く、かわいらしい印象。
     生地はしっかりした織りで上質。
     ただし、緯糸のずれはかなり目立つ。
     あるいは、意図的にずらして、暈しの効果をねらったものか?
【技法】 平織、経糸・緯糸捺染、併用絣。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)?
【年代推定】 昭和5年(1930)前後??
【所蔵者】  三橋順子
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↑ これは花でいいと思う。百合?桔梗?
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↑ 歪んでいるけど家だと思う?
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↑ 木の葉? それとも樹木?
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↑ 風車? それとも五弁の花?
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↑ 織りは、緯糸のずれが大きい。
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↑ ちょっとずれ過ぎのように思える。わざとずらして、暈しの効果をねっているのかも?

銘仙図鑑(28) 赤と白の折れ線の銘仙 [銘仙図鑑]

銘仙図鑑(28) 赤と白の折れ線の銘仙
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銘仙29‐2.JPG銘仙29‐3.JPG
【番号】 028
【名称】 赤と白の折れ線の銘仙
【色柄】 3分の2幅は黒地に赤と白の太い折れ線模様を織り出す。
     赤と白はある部分は寄り添い、ある部分では交差する。
     残り3分の1幅は白地に黒で透垣(すいがき)のような模様を織り出し、そこに黒の細い折れ線を配す。
     全体に黒と薄鼠の大胆な切り分け、そこに走る赤と白の折れ線模様が印象的な典型的なアール・デコの意匠。
     生地は緻密な織りで上質。
     黒地にはわずかに玉虫光沢がある。
【技法】 平織、経糸・緯糸捺染、併用絣。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)?
【年代推定】 昭和5年(1930)前後??
【所蔵者】  三橋順子
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【着装】
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(モデル&コーディネート:YUKO)

【関連リンク】
YUKO「気軽に楽しく美しく・銘仙の女」黒地赤と白の変化のある折れ線の銘仙 
http://yukomeisen.blog.so-net.ne.jp/2014-03-23

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